流れる白線

桜の季節がいつのまにか駆け抜けて終わりを告げようとしている。近所の公園には元々八重桜の木が2本あった。引っ越してきて初めて迎えた春、その八重桜の堂々とした美しさにここに越してきて良かったなと思わされた。出勤させられてひどい目にあったいつかの台風で1本が根元から折れ、残ったもう1本もかなり損傷してしまった。それでも春が来れば今年も花をつけ、その姿がなんともいじらしく愛おしさすら感じてしまう。もとからそこにあった自然なんてほぼなく誰かが植樹したりして育った植物たちだろうけど、私は花が好きだ。目に見えて動きがある訳ではないけど決して静止しているのではなくただそこで息をするように彼らも暮らしている。眺めているだけで不思議と笑顔になり心が綻ぶ。緩やかに葉桜の緑鮮やかな新緑の季節に移り変わっていく。わずか過ごしやすい爽やかな季節を心地よく暮らせたらいいな。

 

11月末に書いて残っていた下書きがなかなかだったので投下しておきます。

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寒さが進んでコートに袖を通した。全ての朝は悪いし結局迎えて安堵している自分がどこかにいるのだろう。日照時間が減るせいか地元はこの頃から自死する人がぽつぽつ増える。死を話題にするだけで病んでるとか考えすぎだとかいう人たちにうんざりする。生きる意味なんてないものを模索してきらきら生きようとするよりよっぽどましだと思う。死は現実だ。死を希望だとは全く思わない。いつか誰しもに訪れはするらしい。こうして思考し感情を持とうがある日突然その日がくるんだろう。痛みもあるだろう。その後はもう何もなくなるのか。ああ、怖い。死ぬのが怖いよ。生まれてこなければこんな恐怖に苛まれなくてよかったのに。